オーストラリアの大学や専門学校を卒業後、職業経験を積むことを可能にする、テンポラリー・グラジュエート・ビザ(サブクラスクラス 485)、通称、卒業ビザ。
キーポイント
- 地方都市や地方エリアに住んでいる留学生は、2回目の485ビザを申請できるようになりました
- リージョナル(地方)オーストラリアとは、メルボルン、シドニー、ブリスベンを除くオーストラリア全土を指します
- 2020年2月より、留学生は、オフショアで卒業ビザを申請できるようになりました
卒業ビザには2種類があり、一定の条件に基づいて「ポスト・スタディ・ワークストリーム」または「グラジュエート・ワーク・ストリーム」のいずれかを取得することが可能です。
オーストラリアで学士号、修士号、博士号を取得した留学生が、卒業から6ヶ月以内に申請できる「ポスト・スタディ・ワークストリーム」。学士号または修士号を取得した学生は、2年間のビザ取得が可能となりますが、修了したコースによっては、期間が長くなることもあります。
「研究により修士号を取得した場合、485ビザは最長3年間、オーストラリアで博士号を取得した場合、最初の485ビザは最長4年間取得できます」と語るのは、シドニーに拠点を置くビザエージェントのアリス・ワン氏。
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オーストラリア地方部の学生は長期滞在が可能に
内務省がこの度加えた修正では、オーストラリアの地方部で学士号、または修士号を取得した場合、セカンド卒業ビザ(セカンド・ポストスタディ・ワークストリーム)の申請が可能となり、最大4年間の滞在が可能となります。
これらの変更が導入される以前、485ビザの取得は一度きりであったため、今後は留学生がオーストラリアの地方部で学習し、生活するインセンティブになることが期待されています。
一方で、今回の移民法の修正により、セカンド卒業ビザを取得するには、オーストラリアの地方部で高等教育を修了し、セカンド申請の直前に地方エリアに居住していることが条件となります。ビザエージェント、ニール・コンサルタンシーのニラージ・シュレスタ氏によると、彼のクライアントは主にネパール、バングラデシュ、インド、パキスタンから来ており、オーストラリア地方への留学を検討しているとのことです。
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2021年1月から、留学生は地方都市や地方エリアに継続して居住していれば、2つ目の485ビザを申請することができます。
リージョナル・オーストラリアとはどこ?
メルボルン、シドニー、ブリスベンを除く、すべてのオーストラリアが、リージョナル(地方)オーストラリアとみなされます。
リージョナル・オーストラリアは、このビザの申請において「地方都市」と「その他の地方エリア」に分けられます。
アリス・ワン氏によると、地方都市で就学・居住した場合は1年間、その他の地方エリアの場合は2年間485ビザに追加されます。地方都市とみなされるのは、パースシティ、アデレードシティ、さらにはウーロンゴン、ニューキャッスル、ジロング、ホーバート、キャンベラなど。
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COVID-19 コンセッション
最新の修正が加えられる以前、485ビザの申請は、オーストラリア国内のみとなっていたため、国境閉鎖により、オーストラリアに戻ることができなくなった数千人の留学生が、申請することができませんでした。しかし、修正が加えられた現在は、オフショアからの申請も可能となりました。
このCOVID-19コンセッションは、「ポスト・スタディ・ワークストリーム」、「グラジュエート・ワーク・ストリーム」の両方に適用されます。
「グラジュエート・ワーク・ストリーム」は18ヵ月間有効で、申請者はスキルド・オキュペーション・リストと呼ばれる職業リストに記載されている職業に関する2年以上のコースを修了し、そのアセスメントに合格する必要があります。
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