Key Points
- 職場の暗黙のルールは、あなたのキャリア形成に影響する可能性があります。
- 暗黙のルールを理解しないことは、その企業文化にふさわしい人材ではないと、またはうまく仕事ができないと見られる可能性があります。
- もし職場で行われていることに疑問を持ったときには、恐れずに質問しましょう。
- 専門家は、新しい労働者が職場の暗黙のルールを理解するのを、雇用主である企業が助けるべきだとしています。
オーストラリアで就職したら、その企業の暗黙のルールを理解することはとても重要です。
UTS Business Schoolの准学部長であるロビン・ジョンズ准教授が、企業ごとに暗黙のルールは異なると説明します。
「これらは、いわゆる社会規範であり、特定の組織内で人々が従うべき規範を示します。」
ジョンズ教授は、暗黙のルールを知ることは極めて難しく、キャリア形成に影響する可能性があると話します。
「もしあなたが暗黙のルールに従った行動をしておらず、さらにそれに気づいていない場合、あなたが必要なチーム・プレイヤーではない、その企業文化にふさわしい人材ではないと見られる可能性があるからです。」
ジョンズ教授によると、これらの「暗黙のルール」は、毎日のちょっとした行動から、ネットワークや職場関係の構築に至るまで、様々な種類があるとしています。
「他にも、人間関係やネットワークの構築方法に関係して、守らなければいけないことがある可能性があります。しばしば、職場において、社内政治や職場内における暗黙のルールが存在します。社内での駆け引きや、その企業の社内政治の中に入ったり対応したりすることは、重要なことです。」
A diverse team of Australian professionals collaborating in a Sydney office. Credit: pixdeluxe/Getty Images
Eメールのトーンやスタイル
Eメールのトーンやスタイルも重要だと、ジョンズ教授は強調します。
「絵文字や感嘆符(!)を使うことができるかどうかなどです。エチケットとしてどうでしょうか?これもまた、ルールとして書面にあるとは限りません。これは、人々がコミュニケーションをとる方法として、カジュアルなものととられるかもしれません。」
電子メールでのコミュニケーションの仕方によって、相手を不快にさせる可能性は確実にありますRobyn Johns, Associate Dean (Academic Staffing) and Associate Professor at UTS Business School
オーストラリアの職場規則は、「とても厳しく定められて」います。
クイーンズランドを拠点とする、Multicultural Australiaは、留学生、移民、難民が新しい生活に馴染むのを手助けしています。
そのCEO、クリスティン・キャスリー氏によると、オーストラリアには、労働者の権利と福祉の保護を目的とした、包括的な職場法と規制のシステムがあるとしています。
「他の国からオーストラリアの職場に入った人たちはショックを受けると思います。職場規則は、とても厳しく定められています。おそらく他の多くの国の職場規則よりも厳しいかと思います。それにはいじめ規制も含まれます。」
ネジャト・バサールはSBSトルコ語のエグゼクティブ・プロデューサーです。オーストラリアに移住する前はトルコで20年間働いていました。
「例えば、いじめはトルコの職場では普通でした。あるものと思っていました。『まあ、上司は厳しい必要があるからね。従業員は命令に従う必要あるし。』一方、オーストラリアでは、いじめや性差別がどんなものかを明確にしています。」
Sometimes not understanding the unwritten rules in the workplace can lead to a person becoming isolated. Credit: pixdeluxe/Getty Images
多文化主義とミーティング プロトコル
オーストラリア住民は、ミーティングでの意見の相違を話すことができます。しかし、意見の相違を述べることは文化によって常識が異なります。オーストラリアの職場では、意見の相違は通常、敬意を持って建設的な方法で表現されます。
「礼儀正しい職場文化というものがあります。他の人が同意したように見える場合があるでしょう。最初は『ああ、そうですね。あなたは正しい。いいポイントですね』そして、正反対のことをいいます。全く違う方向に会話を移そうとします。」
「トルコでは、もっとぶっきらぼうです。『いや、それは間違っているよ。こうするのが正しいんだ』と言った感じです。」
社内での社交活動と、チーム形成
「コーヒー・ブレイク」や、「モーニングティ」は、コーヒーとスナックのための短時間休憩を指します。これはオーストラリアの職場では一般的で、従業員の交流やチーム形成の機会だと見られています。
しかし、ある移民のなかには、この習慣を知らず、倫理に反している、時間の無駄だと考えている場合もあります。
キャスリー氏は、多くの移民が「モーニングティー」という慣習を、オーストラリアに来るまで聞いたことがなかったと話します。
コーヒーを飲もうというのは、会話をしよう、情報交換をしようという意味です。しかし、もっとも重要となるのはコネクションを深めるということです。コネクションを作る、深める方法だということを理解することが重要です。Christine Castley, Chief Executive Officer, Multicultural Australia
After securing a new job in Australia, it’s essential to understand the company’s unspoken rules. Credit: xavierarnau/Getty Images
したがって、企業はメンターやバディシステムによって、新しい従業員が質問できる環境を作ることを、キャスリー氏は推奨しています。
「移民が新しい職場に来て、仕事を始めるときにできることはこのように話せることです。『私が自分の能力を発揮するためにこの職場の文化を知る必要があります。あなたのために私がベストを尽くすことを実現するために、雇用主としてどのようなサポートをしてくださいますか』」
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