来年創業40周年目を迎えるフジベーカリーの創業者、宮本豊さん。
パン職人の家系に生まれた宮本さんは1982年、日本人駐在員に誘われ、シドニーで日本のパン屋を切り開く可能性を探るため、ボストンバッグひとつで来豪しました。
70年代頃から急増していた企業駐在員からは、日本のパン、特にアンパンやあんドーナツを恋しく思う声が高まっていましたが、日本のパン屋をオープンすることは容易ではないことを視察して気づかされたと言います。
Yutaka Miyamoto, Fuji Bakery, Killarney Heights Sydney Credit: Yusuke Oba
オーストラリアで使用されていた粉は、日本ではうどんに使われている粉と類似しており、日本のパンを作るには、かなりの試行錯誤が必要でした。
さらに「パンは主食ではない」、「主食を害してはいけない」、「味がついてはいけない」と、日豪におけるパン文化も異なり、宮本さんが手掛けたロールパンは、「パンではなくお菓子」と言われたこともあると話します。
また当時、「日本人にはパンを食べる習慣がある」ということさえ、あまり知られておらず、日本のパンがオーストラリア人に受け入れられるかという不安を抱えながら、1982年、日本のパン屋「神戸ベーカリー」が晴れてシドニーに誕生します。
Yutaka Miyamoto, Fuji Bakery, Killarney Heights Sydney Credit: Yusuke Oba
1984年にシドニー北部のブルックベールにフジベイカリーをオープンし、1987年には現キラにーハイツに移転。40年が経った今も日系コミュニティにとって変わることのない心の拠りどころとなっています。
Fuji Bakery, Killarney Heights Sydney Credit: Yusuke Oba
優しい目で息子を見守る宮本さん Credit: Yusuke Oba
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40年間変わらない心の拠りどころ、フジベーカリー
12:53
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このインタビューはSBS Foodの以下の記事をベースにしています。
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