水泳大国オーストラリアで、15年以上に渡りジュニアの競泳選手の育成に携わってきた鬼頭亮さん。2019年に独立し、現在はシドニーのでヘッドコーチを務めています。プール、そしてオープンウォーターのカテゴリーで、多くの代表選手を輩出してきた鬼頭さんは、東京五輪では関係者として、世界トップの戦いを目に焼き付けてきます。
オーストラリアの水泳界に長年携わってきた鬼頭コーチは、1年の延期を経て、コロナ禍で開催される東京五輪について、この異例な状況は「若い選手に有利に働くのではないか」と見ています。
通常の五輪では、初めて参加する選手の多くが会場の雰囲気に飲まれ、緊張してしまうことから、初めての選手と、そうでない選手の間に大きな差が出でいたと言います。しかし、無観客で開催される今大会では、緊張することなく、本来の実力を発揮できると考えています。
オーストラリアチームの強さは、これまでの大会で得た金62、銀70、銅68を見ても一目瞭然ですが、鬼頭コーチいわく、今大会では女子の強さが特に注目されるだろうと言います。
400m自由形のアリアン・ティトマス選手(20)は、オーストラリアの選考会で、史上2番めに速いタイムで優勝しており、世界記録保持者であるアメリカのケイティ・レデッキー(24)選手との一騎打ちになると予想しています。
また女子100m背泳ぎのカイリー・マッケオン選手(19)は6月に開催された豪代表選考会で、57秒45の世界新記録を樹立しており、金メダルの有力候補、さらには世界記録も期待できると言います。
男子では、日本のお家芸でもある200m平泳ぎに、22歳のザック・スタッブルティ・クック選手が挙げられます。五輪選考会では2分06秒28を記録し、国内記録、並びにコモンウェルス記録を更新。同種目では「北島康介の後継者」とも呼ばれる19歳の新星、佐藤翔馬選手にも期待がかかります。
200m平泳ぎのレース自体が混戦しており、種目としても注目されるという鬼頭さん。
「誰が勝つかわかりませんが、勝てば世界記録かな」と見ています。
また今大会、第一種目として開催される男子400m個人メドレーでは、日本のエース、瀬戸大也選手が有力と述べ、女子の同種目では大橋悠依選手の活躍に期待すると言います。
競泳は7月24日から9日間に渡り、全35種目を開催します。
鬼頭コーチは、自分の国、また強豪と言われる国に限らず、「意外な選手、ダークホースが勝ち上がってくることもオリンピックの楽しいところ」とし、競技全体を通して観戦・応援してほしいと語ります。
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鬼頭亮コーチに聞く東京五輪 日豪競泳の見どころ
SBS Japanese
20/07/202111:20
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