豪話題作「ダーク・エミュー」を翻訳、火中の栗を拾いに行ったわけ 龍谷大・友永雄吾准教授

Assoc Prof Yugo Tomonaga from Ryukoku University in Japan holds translated version of Dark Emu by Bruce Pascoe

Assoc Prof Yugo Tomonaga from Ryukoku University in Japan holds translated version of Dark Emu by Bruce Pascoe Source: Yugo Tomonaga

「ダーク・エミュー」は、狩猟・採集の民というオーストラリア先住民のイメージを覆し、実ははるか昔から高度な文化を発展させていたと指摘する一冊です。


Assoc Prof Yugo Tomonaga at Ryukoku University in Japan with study tour attendees in Shepparton, Victoria in 2018.
Assoc Prof Yugo Tomonaga (middle row, second from the left) at Ryukoku University in Japan with study tour attendees in Shepparton, Victoria in 2018. Source: Yugo Tomonaga
2014年にオーストラリアで出版された「ダーク・エミュー」は、ブルース・パスコウ氏によるノンフィクション。狩猟・採集の民というそれまでのオーストラリア先住民のイメージを覆し、実ははるか昔から高度な文化を発展させていたと指摘しています。

本の内容をめぐっては、人類学の権威も含めて研究者から批判の声も上がっています。

論争を巻き起こすような本を翻訳するのは、研究者としてのキャリアに影響する可能性がある、リスクを伴う決断です。友永さんがこの話題作を翻訳することになったきっかけは何だったのでしょうか。

インタビューではそのきっかけについてや、翻訳を決めた背景、視点を変える大切さなどを聞きました。

友永さんは今週5日、NAIDOCウイークに合わせ、「ダーク・エミュー」日本語版の出版記念講演会を開きました。日本語での本の題名は、「ダーク・エミュー アボリジナル・オーストラリア「真実」:先住民の土地管理と農耕の誕生」と、日本の読者にも分かりやすいようサブタイトルが付いています。

シフトアイデア

キャリアをかけてまでやってみる価値のあるもの――。「ダーク・エミュー」は、研究者だけでなくオーストラリアの先住民の間でも意見が分かれている本です。しかし友永さんはそこに日本の人に知ってもらいたい「価値」を見出しました。

同じものでも見方によってその見え方が違ってくることがあります。定説とはまた違った見方を紹介し、友永さんは「シフトアイデア、つまり視点を変えること」の大切さを語っています。

火木土の夜10時はおやすみ前にSBSの日本語ラジオ!


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