12月15日、シドニー西部・セブンヒルズで、デフサッカー男女日本代表が、オーストラリア代表と親善試合を行います。
デフとは英語で「聞こえない」または「聞こえにくい」という意味で、デフサッカーとは聴覚障がい者のためのサッカーです。
オーストラリアでデフサッカーの日豪対戦が行われるのは今回が初めてとなります。
スタジアムは約7000人の観客を収容可能ですが、入場は無料(またはドネーション)です。
「私たちは経済的な障壁や生活費の負担が、応援する機会を妨げてほしくないと考えています」と話すのはデフフットボール・オーストラリアのレイモンド・ユナン会長。
「感動的なフットボールを観戦できるでしょう。」
私たちのモットーは『Come Hear us Play(私たちのプレーを聞きに来て)』です。Deaf Football Australia President Raymond Younan
男子日本代表のキャプテンで、ゴールキーパーを務める松元卓巳選手は、オーストラリア代表について、「アジア屈指の強豪チーム」と評し、「彼らの世界レベルのフィジカルに対して、私たちのサッカーがどれだけ通用するのか試してみたいと思います」とSBS 日本語放送にコメントを寄せてくれました。
Deaf Football Japan, captain and goal keeper, Takumi Matsumoto. Credit: Deaf Football Australia
試合時間は45分と通常の半分ですが、主審が笛とフラッグの両方を使用する以外、同じルールで進められます。
また、選手はフィールドに出る前に、コクレアインプラントや補聴器を外すことが義務付けられています。
「見た目は普通のサッカーと変わりませんが、音がないため、リアルタイムでのコミュニケーションが難しいです。皆が同じイメージを共有しながらプレーできる素晴らしさを感じてほしいです。」
障がいを才能へ
日本との対決の機会について「大きな意味を持つ」とコメントしてくれたのは、オーストラリア女子代表のフォワード、コートニー・モリス選手です。
デフサッカーに関わることは、自身の障がいを才能に変えることができると教えてくれました。
同じ障害を持つチームメイトたちと一緒にトレーニングし、交流することで、自分が一人ではないと感じられ、私たちの障害が才能へと変えられることを実感できます。Deaf Football Australia forward, Courtney Morris
Deaf Football Australia forward, Courtney Morris (left) and midfielder Lauren Tyne (right). Credit: Deaf Football Australia
「私は自分が聴覚障害者であることを誇りに思います。チームの一員でいられることが大好きです。なぜなら、孤独を感じることなく、聴覚障害者のコミュニティはお互いに理解し合っているからです。」
デフサッカーを次のレベルへ
多くの人が聴覚障害や聴覚に問題を抱えているにも関わらず、デフサッカーは世間にあまり知られていないと、タイン選手は説明します。
「パラ・マチルダズ*のように、私たちは知られておらず、スポンサーも限られています。デフサッカーへの認知度をもっと高め、この障害に対するサポートを強化するべきだと思います。」
「デフサッカーを次のレベルに進めるためには、私たちのコミュニティがソーシャルメディアやテレビでもっと頻繁に紹介される必要があります。健常者のスポーツと同じように、私たちも国を代表しているのです」と、モリス選手も述べています。
また、松元選手も次のように付け加えます。
「デフサッカーをFIFAワールドカップのような世界中から注目を集める大会に発展させたいと思っています。スタジアムが満員になるほどエキサイティングな大会にしたいです。」
*CP(脳性麻痺)サッカー オーストラリア女子代表。今年ワールドカップ優勝。
デフサッカー男女日豪対決
日時:12月15日(日)5:30pm女子・7:30pm男子
会場:Landen Stadium in Seven Hills
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