ワニ研究者・福田雄介さん、ワニへの思い強く ノーザンテリトリー政府でワニ研究

Yusuke Fukuda

Source: Yusuke Fukuda

ワニ研究者・福田雄介さんにインタビューしました。福田さんはノーザンテリトリー政府の野生動物の保護管理をする部署で、主にワニの研究をして15年目。福田さんがワニ研究者を目指すようになったのは、やりたい事も夢もなかった高校一年生のある日、テレビでワニを見たことがきっかけだったとのことです。


  

インタビューで、福田さんがワニ研究者になった経緯や、調査、また福田さんの面白いと思うワニの生態についてなどをお聞きしています。
Yusuke Fukuda
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福田さんの主な仕事は、野生にいるワニの個体数をモニタリング調査し、調査の結果を報告書や論文にまとめ、連邦政府や関係機関に報告する業務で、またそれに関連した他のワニの生態的な研究もしています。

調査はノーザンテリトリー内の大きな8本の河川や、カカドゥー国立公園内の川で行います。

夜間に小型のボートに2,3人で乗り込んで上流に上り、手に持ったライトの光の反射するワニの目を数え、そのワニに近づき位置情報や全長などをコンピューターに記録していくとのことです。
Yusuke Fukuda
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現在このようにノーザンテリトリーの大自然の中で活躍する福田さんですが、小・中・高と、東京にいて、当時はやりたいことも、夢も目標もなかったとのこと。そんな福田さんのワニとの運命の出会いは高校1年生のときでした。

テレビの動物のドキュメンタリー番組に、オーストラリアのノーザンテリトリーの野生のワニとワニ研究者達が映るのを見た瞬間、「自分も将来そこに行ってワニの研究者になろう」と決意した、ということです。
自分でもなぜかよくわからないんですけど、そのテレビの画面に映るワニの姿を見た瞬間にもう、なんかしびれたと言いますか、雷に打たれたような衝撃で… それ以降はもう、ワニだけになってしまいました。
Yusuke Fukuda
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ワニの移動パターンなども調べて論文を書いたりもしている福田さん。イリエワニの追跡調査やそのDNAを基に遺伝的な繋がりを見た動きなどの調査もしています。

また福田さんは、著書「もしも人食いワニに噛まれたら!」を執筆しています。
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ワニは爬虫類の中でも珍しく、声を出せる動物だとのこと。大人になると低い声で自分の縄張りをアピールしたり、威嚇として唸ったり吠えたりもするそうです。
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またワニには、他の場所に連れて行って放しても帰ってくる帰巣本能があり、それはワニが地球から出ている磁力を感じ取り、方位磁石のように方向を割り出せているからではないかと言われているそうです。
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しかし、複雑な地形だとどうなるでしょうか?
Yusuke Fukuda
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今までは自分が、ワニのことを知りたいから研究したいから、という気持ちが強かったんですけど、ここ数年は自分がどうこうと言うよりも、実際に目で見る野生・自然の中にいるワニの為に、ワニの保護につながるような研究をしたい、という思いが強くなっています。『自分の為に』から、いつの間にか『ワニの為に』と、変わってましたね。
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