ビーチ大国オーストラリアで注目! ビーチの安全標識研究 柴田勝来博士

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Dr Masaki Shibata, The University of Adelaide Credit: Masaki Shibata

一見美しく見えるオーストラリアの海には、危険が潜んでいることが多く、ビーチサインは、それを伝える重要な役割を果たしています。しかし、柴田さんの研究によると、海水浴客のほぼ半数が、標準的なビーチの安全標識を誤解している、または読んでいないことが明らかになりました。


2015年に来豪した柴田勝来さんはNSW大学で言語学の博士号を取得後、シドニー大学、そして現在はアデレード大学で日本語やメディア言語、ビーチセイフティなどの分野で教鞭をとり、研究しています。

柴田さんは最近、ビーチの安全標識についての研究を発表。8月に開催された、ナショナル・ウォーター・サミットで紹介されるなど、大変な注目を集めました。

この研究ではオーストラリアおよび海外出身の海水浴客のほぼ半数が、標準的なビーチの安全標識を誤解している、または読んでいないことが明らかになりました。
例えば、「常にフラッグ(旗)の間を泳いでください」という意味を持つ「Swim between the flags」については、海外からの旅行者や居住者の30%以上が、「泳ぎが上手な人だけがフラッグの間に入るべき」と誤解していると、柴田さんは説明します。

また、「フラッグがなければ泳がない」という一般的な指示については、ビーチを訪れるオーストラリアと海外生まれの人のほぼ半数が、「水に入ったり、遊んだり、歩いたり、立ったりすることはできる」と解釈しているそうです。実際には入ってはいけないのです。

「全国海岸安全レポート2022」によると、2012年から2022年にかけての海岸での溺死者は939人で、その約半数が海外出身の海水浴客です。柴田さんは例えば「Swim between the flags」を「Stay between the flags」に変えるなど、標識の見直しと改善を訴えいてます。
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Dr Masaki Shibata is also a former lifesaver Credit: Masaki Shibata
オープン・ウォータースイマーで、元ライフセイバーでもある柴田さんは、これからの季節に向けて、伝えたいことがあると言います。
とにかく旗と旗の間で遊ぶこと・泳ぐこと。旗と旗の間で起こる事故はほぼゼロです
旗がその場所に立てられるのには意味があると説明する柴田さん。
例えば、ボンダイ・ビーチには4つの離岸流(リップカレント)があり、旗はそれを避けるように立てられています。

今年だけでも離岸流などで亡くなっているのは141人です。
海をぱっとみたときに、あまり波が立っていなくて、静かなところは危険、逆流している可能性があります
インタビューではリップカレントに入ったさいの対処方法なども教えていただきました。柴田さんのフルインタビューは下記からどうぞ。

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ビーチ大国オーストラリアで注目! ビーチの安全標識研究 柴田勝来博士

12:42
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