Key Points
- 放課後のアクティビティは、スキルの向上、社会的なつながりの構築、精神的・身体的な健康の向上など、多くのメリットがあります。
- 図書館やユースセンター、コミュニティセンター、学校のプログラム、政府が発行するバウチャーなど、無料または低価格で利用できる選択肢も多くあります。
- アクティビティを選ぶ際は、子供の興味や性格、能力を考慮し、一緒に決めることが大切です。
- 多様性を尊重したプログラムは、帰属意識を育み、より調和のとれた社会の実現にもつながります。
バスケットボールにサーカス、ロボティクスまで、オーストラリアには子供たちが参加できる放課後のアクティビティが豊富にあります。
放課後アクティビティのメリット
研究によると、子供たちはこれらアクティビティに参加することで、新しいスキルを学ぶだけでなく、心身の健康や自信、社会性を高めることができるとされています。
オーストラリアに移住した子供たちにとっては特に重要だと言います。
「帰属意識を育むことができます。これは誰にとっても幸福やコミュニティへの参加に欠かせない要素ですが、特に新しく移住してきた家庭や、差別や社会的疎外に直面しやすいコミュニティの人々にとって、大きな意味を持つと思います。」
ノースメルボルン・フットボールクラブの地域活動部門でコミュニティ開発を担当するザカリア・ファラさんは、こうした活動が子供たちにとって、人とのつながりを築く上で重要な役割を果たしていることを日々実感しています。
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Skateboarding program at The Huddle.
子供にあったアクティビティを選択する
放課後のアクティビティを選ぶ際には、お子さんの興味や性格、能力を考慮するよう、スパイ教授は勧めます。また詰め込みすぎると、逆効果になるとも言います。
教授は自分の3人の息子たちを例に挙げ、競争を好む子もいれば、リラックスした環境での参加を好む子もいると説明します。
「家族内でも、これほど多様な好みがあることがわかります。だからこそ、子どもたちのさまざまな関心に応えることが大切です。」
放課後のアクティビティに参加する上で、費用は大きな障壁となります。
これらアクティビティに、年間数千ドルを費やす家庭もいますが、無料または手頃な選択肢もあります。
放課後のアクティビティを提供する学校も多く、また多くの州政府がスポーツやアートのためのバウチャーを発行しています。
地域の図書館では、アートや科学、テクノロジーのアクティビティに触れることもできます。
「公共図書館は、コミュニティが平等にアクセスできることに、重点を置いています。どこに住んでいようが、収入がどれだけあろうが、子供たちが興味を持つものに触れ、新しいスキルを身につけ、純粋に楽しめる場を提供しています。」、と図書館とミュージアムのサービスマネージャーを務めるエリサ・デニスさんは説明します。
ユースセンターやコミュニティセンター
ユースセンターやコミュニティセンターでも、無料、または低コストのアクティビティを提供しています。
例えばメルボルンの中心部にあるリッチモンド・ユース・ハブでは、バスケットボールやサッカー、料理、サーカスなどのアクティビティが行われています。
グンディジュマラ族の男性で、このハブでチームリーダーを務めるザカリー・ロヴェットさんは、センターの魅力について、スポーツ用具へのアクセス、さらには若者たちが自分たちの空間を持てることを挙げています。
「このハブの場所柄、実際に座って他の同年代の人と会話するための個々のスペースがあまりありません。そのため、私たちはひとつのグループとして、ディスカッションやグループ活動を行っています。例えば、料理をするときは、皆で座って一緒に食事をしながら話し合います。」
インクルーシブが重要な理由
ノースメルボルンとウィンダムでスポーツプログラムを提供している「The Huddle」は、プログラムをよりインクルーシブにするために、これらを無料で提供しています。
費用が発生すると、それはもはやインクルーシブではなく、多くの人が参加できなくなる、とThe Huddleのザカリア・ファラさんは話します。
「無料にすることで、より多くの若者がその活動に参加でき、社会的なベネフィットを受けられるようになるのです。」
またアクティビティが文化的にもインクルーシブであることも重要です。
「The Huddle」では、スタッフが異文化を理解するためのトレーニングを受けており、温かく迎え入れる環境作りに努めています。
「スタッフを雇う際や教育する際に、どの文化を支援しているのか、それらの文化的な要件は何か、そして文化的安全性について教育し、異なるバックグラウンドを持つ若者たちとのセッションをどのように進行させるかに関して注目します。」
さらに、このようなプログラムはインクルーシブな社会を築く手助けになると、ファラさんは考えています。
「彼らが個々に得るメリットは重要ですが、それと同時に私たちがより包括的で調和の取れた社会になることにも貢献しています。」
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